歌垣山・地黄湿原



  古代には山頂で歌会が行われたという歌垣山。でもその実態は、上手く詩が詠めなかったら叩かれたので、歌の下手な人は血みどろになると言う話も交えられた植物観察会へ出かけました 登り口の所で、大阪で一番幹の周りが太いという銀杏を観察してから登りました。

  歩き出してすぐに、キカラスウリが有りました。今は黄色ですが、これからもっと綺麗な橙色になるそうです。なかなか人目を惹く色です。

キカラスウリ

  登りだしてすぐの所には、アキチョウジやナンテンハギなどが人目を惹きました。でもしばらくすると杉や檜の樹林帯の下になって、目を惹く植物はないし、上り坂は急でした。落葉樹林帯になると色んな植物が目に飛び込んできます。植物は正直です。

アキチョウジ  ナンテンハギ

  歌垣山は、笹百合の花が咲くことで有名です。結構たくさんの笹百合の葉が有りました。でも、少し道が滑りやすいので、足下への注意が必要でした。

ヨメナ  ノコンギク

  歌垣山を下りると次は地黄湿原への道です。入り口にヨメナとノコンギクが咲いていました。普通よく見られるのはノコンギクでヨメナは各地でかなり減っているそうです。でも下草がたくさん茂っているはずの道が、すごく刈り取られていました。植物を観察する上では少しショックでした。去年たくさん見かけたセンブリが見あたりません。幾ら2年生とはいえ、少しぐらいは見かけられるはずなのに。アケボノソウは倒れそうなのが一本だけ残っていました。

  でも草類はなかなかしぶといので、少しは見ることが出来ました。キササゲは花と実の両方を見ることが出来ました。キクバヤマボクチも少しは残っていました。

サワギキョウ  スイラン

  地黄湿原は大阪みどりのトラストが管理していて、そこから鍵を借りてきての観察会でした。湿原の橋は狭くて大勢では乗れないので、何回かに分かれて見ました。でも対岸へ行ける橋ではないので、対岸近くにたくさん生えていたサワギキョウを間際で見ることは出来ませんでした。

  サワギキョウの他にはキセルアザミ、スイラン、ミズチドリ、マツカサススキ、シロイヌノヒゲなどを見ることが出来ました。

  季節によって色々な花を見せてくれる地黄湿原ですが、水の量がだんだんと減ってきているので、湿地が乾いているというお話でした。いずれ湿地でなくなることもあるようです。残念な事ですが、自然の変化を止めることは出来ません。

アケビ  ワレモコウ

タンキリマメ  ジイソブ

  地黄湿原から野間まで歩きました。その道にもアケビの実、タンキリマメ、ワレモコウ、ツリガネニンジンなど、色んな物を見ることが出来ました。

  野間には大きなケヤキがあります。今回私は見に行きませんでしたが、ひときわ目立つ大きな木です。周りでは夏には蛍も見られて、まだまだ自然がたくさん残っているところです。

(2004.11.02 掲載)





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