六甲山U



 「六甲山の自然に親しむ会」の催す自然観察会に、雨の中参加しました。あまり大降りにならないと良いと願って歩きました。願い通り、雨具を着ればしのげる程度の雨でした。この会は毎月一度行われているのですが、私が参加したのは今度で3回目です。

 7月の中旬なら例年なら暑いはずです。今年は10年前の大凶作の年と同じように、雨がよく降ります。ご一緒した六甲山にブナを植える会の方も、10年前と同じような気候だとおっしゃっていました。今年は、米が美味しくないだろうと。日照不足のせいか、花も例年より遅れて咲いているようです。

 最初に見かけて面白いと思ったのは、アリマウマノスズクサです。花と実がすぐ側にありました。形もちょっと変わっています。

 順番に花、実、葉、花です。

      

 六甲山は、阪神・淡路大震災によって、12センチ隆起しているそうです。最高峰では、かろうじて雨が止んでいたので、座ってお弁当を食べることが出来ました。最悪の場合は、立ったままで食べるしかなかったので、まだ運が良かったのでしょう。ガスが一面にたれ込めていて、食事が済んだ頃には体が冷えてきて、ゆっくりと休んでいる気にはなれませんでした。

 

 標高931メートルと書かれています。以前はここまでは来られませんでした。米軍基地が無くなっても柵で囲われていたからです。前に登った時は、何だか最高峰へ来たという気がしませんでした。昔はここにパラボラアンテナがあったので、六甲山の最高峰は遠くから見ても一目で分かりました。実は六甲山という名前の山はなくて、一番高いところは最高峰と呼ばれています。でもみんなは六甲山と呼んでいます。


   

 山頂近くに植えられたブナの木です。これは、六甲山中にあったブナの実を、育てて植林したものです。六甲山は瀬戸内海国立公園の一部ですから、勝手に植えたり伐採したりすることは出来ません。だから、許可を取って植えたものです。こんなに小さく見えますが、種が採取されたのは10年前です。種から育てて、今年の三月に植えたものだそうです。動物から守るために、このように金網で囲ってあります。でも、それ以外は自然任せです。無事に大きく育ってほしいですね。

 ここらから有馬方面へ下りました。有馬へはロープウェーで下りることも出来ます。それこそあっという間に下りることが出来ます。下りの道は、緩やかなのですがだらだらと長いのです。でも、今回は植物観察ですから、それを長いとは感じませんでした。目的が違うと感じ方も違うものですね。

           

 左上からオトギリソウ、キクバヒヨドリ、ナワシロイチゴ、ヌスビトハギ、ヤマジノホトトギス、ハエドクソウ、アマショウマ、ジャコウアゲハの幼虫、イワガラミ、オカトラノオ、サルナシ、ウリカエデです。

 花の名前を知りながら見て歩くのと、何も分からなくて、「ああ、何の花か分からないとけれど咲いている」と思うのとでは、気持ちが全然違います。後で名前の分からない分は、植物に詳しいYさんとNさんに聞きました。少しずつで良いから、名前が覚えられたら楽しいだろうと思います。その為にも、出来るときには参加したいと思っています。(2003.07.22 掲載)

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