韓国 全羅北道


☆ 高敞(コチャン)

  韓国の全羅北道へ初めて旅しました。世界遺産の高敞(コチャン)の支石墓を目指す旅です。高敞(コチャン)は高速バスでソウルから3時間半かかります。韓国の高速バスはゆったりした座席のバスと普通の座席のバスの二種類があります。でもコチャンまでは普通のバスしかありませんでした。仁川空港から高速バス乗り場まで、地下鉄工事のために渋滞していました。お陰で予定していたのより到着が大分遅くなってしまいました。

鰻1  うなぎ

  コチャンへ着いたときにはもう日が暮れていました。部屋で一休みして夕食を摂りに外へ出ました。コチャンは鰻の産地です。鰻の店が道路沿いにたくさん有ります。タクシーの運転手さんがこの三軒の店なら何処でも美味しいと教えてくれた中から一軒選びました。天然鰻と養殖鰻では、値段の差が2倍以上ありました。折角なので天然の鰻を注文しました。

  下味を付けられた鰻を炭火で軽く焦げ目をつけて、焼き肉のようにサンチュに巻いて食べるのです。上の写真のものを一緒に巻くのです。あっさりしていて弾力のある鰻は、幾らでも食べられました。最後にお焦げのお粥を注文しました。見た目はドロッとした茶色のお粥です。でもその味は大変複雑でとっても美味しかった。また味わいたいと思った味でした。

禅雲寺への道  椿

  宿泊したホテルには海水風呂が有りました。到着したときはもう終了した後でした。パンフレットを見たら入りたくなったので、予定を変更して翌朝入りました。その後、朝食を摂りがてら禅雲寺(ソヌンサ)へ散歩に出かけました。禅雲寺までの途中の川沿いに提灯が下げられていました。禅雲寺の裏山に天然記念物の椿の林が有ります。4月の終わり頃が見頃なので、チラホラ咲いているだけでした。磨崖仏も見所なのですが、時間の都合で割愛しました。

支石墓  支石墓   牟陽城  モヤンソン

  ホテルへ戻った頃から雨が降り始めました。予定では高速バスターミナルで荷物を預けて支石墓と牟陽城(モヤンソン)を見るつもりでした。ところが預ける場所がないというので、タクシーで回って貰いました。雨なのでタクシーもゆっくりと時間を取ってくれませんでした。支石墓は整備された場所とは別に、小さな村落を挟んでもう一カ所有ります。三年後にはその村落の人々にアパートへ移って貰って整備するそうです。上の写真は支石墓とモヤンソン。モヤンソンの城壁は一周40分ほどで歩けるそうです。女性達が頭の上に石を乗せて、城壁の上を一周するお祭りも有るそうです。雨で残念でした。上の写真はコチャンの支石墓と牟陽城の写真です。

☆ 全州(チョンジュ)

全州韓屋  紙の布

  コチャンから全州へバスで移動しました。予定より早かったので、全州市内をゆっくりと見物できました。韓式家屋保存地区の全景を見下ろす梧木台(オモクデ)から全景を眺めた後、紙博物館、全州伝統酒博物館、全州韓屋生活体験館などを覗きました。上の写真は全州韓屋と色とりどりの紙の布です。

室内  オンドル   慶基殿  豊南門
教会  全州客舎  

  その後、慶基殿(ギョンギジョン)を見物しました。1410年に太祖李成桂の肖像を安置するために建てられた物です。その前にある殿洞聖堂は1914年に建てられた物です。韓国には新しい教会と古い教会が混在していて面白いと思いました。全州府城の4大門の一つの豊南門の前を通りました。これは1978年に復元されたものです。朝鮮王朝時代の役所の一部で接待や公式行事を行う場所だった全州客舎で少し休憩しました。今は若者の待ち合わせ場所として利用されています。上の写真は韓屋生活体験館の室内とオンドルの焚き口です。丁度火が点けられたところでした。真ん中は慶基殿と豊南門。下は殿洞聖堂と全州客舎です。

野菜  野菜

  全州客舎からホテルまで、本屋を探す夫と別行動でブラブラと戻りました。市場の中は野菜、魚、果物など多種多様なものが売られていて、見ていてとても面白かった。その後頼まれた韓国唐辛子を買うべくデパートへ行きました。日本語は全然通じませんでしたけれど、何とか目的のものを買うことが出来ました。上の写真で分かるように豊富な野菜が売られていました。

ビビンパ  ビビンパ

  休憩を取ってから食事を摂りに、もう一度タクシーで出かけました。全州ビビンパを食べるためです。ビビンパにも二種類有って、2000ウォンの差は副菜の数のようでした。高い方は副菜が20品付いてきました。スフレ状で、だし巻き卵の味みたいなものが美味しかった。ビビンパは彩りも鮮やかで味も良くて、しっかりと野菜をとることが出来ました。

☆ 馬耳山

  翌朝はタクシーで1時間ほどかかる馬耳山へ出かけました。馬の耳のように尖った山が二つあります。残念ながら二つの耳のように見えるところからは写真を撮ることが出来ませんでした。運転手さんに2時間待って貰うことにしました。反対側で待ってくれる事になりました。

階段  銀水寺

  最初から長い階段が延々と続きました。一段一段に馬耳山のマークのスタンプのある階段です。途中に洞窟があってそこから水が湧いていました。とっても美味しい水でした。その少し先に銀水寺があります。そこのお坊さんが太鼓を叩くように勧めてくれました。3度叩くと良いそうです。同じような大きさの太鼓が堂内にも有りました。その庭には青梨の木が有りました。李成桂お手植えの木と称されているようです。更に下ると塔寺が有ります。こちら側から登ってくる人の方が多いようです。30年掛けて積み上げたという石の塔が不思議な景観を造っていました。

塔寺  貯水池

  昼食は運転手さんのお薦めの豆腐料理の店で摂りました。そこへ韓国全土からお客さんが来る店だそうです。木綿豆腐のような豆腐と豆腐鍋のようなものを頼みました。豆腐鍋はにがりを入れる前の豆腐とアサリなどが入っていました。辛いものの苦手な私たちは唐辛子を抜いて貰いました。豆腐も鍋もとっても美味でした。運転手さんとそこの社長さんが懇意だそうで、トットリムク(どんぐりで作ったゼリーのようなもの)をサービスしてくれました。粉を買うのではなく山からとってきたドングリから作った物だそうで、余所のものとは比べものにならない美味しいものでした。

☆ ソウル

  ソウルでは高速バスターミナルで飛行機のチェックインが出来ます。翌日は早朝のうちに荷物を預けて、身軽になって南漢山城へ向かいました。三国時代に築かれた城壁が、朝鮮王朝時代に大々的に修理されたものです。北漢山城と共にソウルを守る城壁です。今ではここは道立公園になっています。大変多くの登山者や散歩をする人で賑わっていました。

南漢山城  城壁

  詳しい資料がなかったので、詳細を知らないままに出かけました。入り口でマップを貰いました。でも私たちのいる場所が、その地図の外だとは思いもしませんでした。山全体が公園になっているので、丸一日を費やすつもりでないと歩けません。低くなっているところには雪が残っていました。風も大変冷たくてしっかりと冬の服装をしていて良かったと思いました。上の写真の門をくぐるとやっと中へ入ったことになるのです。右の写真の城壁に沿って30分ほど歩かないと思っていた地点に着けないことが分かりました。

  南漢山城の側で昼食をとりました。しかも牡蠣釜飯など時間のかかる物を頼んでのんびりと食事しました。その為に空港へ着いたのは本当にギリギリの時間でした。最後まで美味しいものを頂きました。

  出発前は竹島問題でギクシャクしているので嫌な思いをしないかとチラッと考えました。TVでは盛んに竹島問題を報じていましたが、普通の人はすごく親切でした。お寺では老人は無料でした。タクシーの運転手さんが本当に親切でした。自分のもうけが減るのに、私たちにとって便利なことを優先して連れて行ってくれました。韓国の美味しいものと、韓国の人の優しい気持ちに触れる旅でした。

(2005.04.02  掲載)




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