韓国旅行U



 韓国の仏像に関心のある友人夫婦と4人で個人旅行をしました。今回の目的は、慶州の南山にある磨崖仏を見ることと、江華島の磨崖仏を見ることでした。


     南山(ナムサン)

 拝里三尊像

南山は新羅文化財の露天博物館と言われるだけあって、山一面に磨崖仏があります。世界遺産に指定されています。露天なのでだいぶ薄くなったものや、欠けかけているものもありました。今回見たものは、その中のごく一部です。40以上の渓谷にお寺や石仏・石塔があるのですから、全部見るとしたらどれぐらい時間が掛かるか分かりません。山としては低いけれど、結構大きな山です。韓国の人たちも登山が大好きなので、たくさんの人たちが登っていました。今回登ったのは、三陵渓谷です。

         



 道標は出ているのですが、最初の方はちょっと分かりにくかったので、三度ほど尋ねて石仏を見て回りました。一番最初の写真は、実は一番最後に見たものです。お寺よりも上の頂上に近いところにありました。谷筋を登るのですが、石仏はそこから横道に入ったところにありました。標識をよく注意してみないと見落としてしまいます。

 写真は左から磨崖石仏座像・頭なき石仏座像・磨崖観音菩薩像・線刻如来座像・石仏座像です。一番最初の石仏座像は、高さ5.21メートル、膝の幅が3.5メートルある大きなものです。かなりな崖の上ですが、前に少し広いところがあるので、そこで何人かの人が座って拝んでいました。

     慶州良洞(ヤンドン)民族村

15世紀から16世紀に形成された両班(ヤンバン)(貴族のこと)の村です。


  全景



         

 門屋が「ー」の家形、母屋が「口」の家形になっている朝鮮時代初期のヤンバン(両班)屋敷の一般的な構造の家。この家のカイズカイブキは、1457年に家が建てられたときに植えられた木です。樹齢546年になります。

慶州で売られている生酒「校洞法酒」(キョドンポッチュ)は、餅米から造られるお酒です。一日に16本限定生産されているだけなので、かなり高価なお酒です。ちょっと甘めの飲みやすいお酒です。そこの当主のお母さんの日本語は大変綺麗でした。日本人への説明を担当されているようでした。そのすぐそばにある韓定食のお店は、味がなかなか洗練されていて、美味しく味わえました。

       

 左から韓定食・市場・セマウル号

 慶州の市場をぶらついてセマウル号に乗車して、一路ソウルへ向かいました。市場には実にいろいろなものが売られていて、韓国の食材の豊富さを感じました。又、人々が食を大事にしていることもよく分かりました。

     江華島(カンファド)

高速バスターミナルからタクシーで席毛島(ソクモド)へ行きました。フェリーで5分の島です。そこにある普門寺(プモンサ)とその上にある磨崖仏を見るためです。韓国のお寺はどこもほとんど山の中にあります。タクシーを降りてすぐに上り坂でした。大変急だったので、息が切れました。お寺の中には、天井には蓮を形取った提灯が飾られ、玉の仏像がたくさん奉納されていました。壁に古い仏画が残っていました。磨崖仏を見るためには、そこからさらにたくさんの階段を登りました。大変見晴らしの良いところに磨崖仏はありました。

     

 ソクモドから支石墓(ドルメン)を見に行く途中の村にある高麗王朝時代の石仏と五重塔。ここは、村の奥の方にあって、地元の運転手さんも聞いて連れて行ってくれました。この五重塔は、バラバラな状態で見つかったので、完全には復元できていません。


   




  ドルメン


   


 ドルメンとは、先史時代の埋葬スタイルで、世界中の50%が韓国にあります。江華島には、たくさんのドルメンがあります。これらドルメンも世界遺産に指定されています。巨石文化の一端です。この場所は公園として整備されていたので、ちょっと興味がそがれました。


 



 最後に伝燈寺(チョンドサ)へ行きました。現在慶州の海印寺(ヘインサ)に納められている八万大蔵経は、元々はここに納められていたものです。このお寺の本堂の天井には大変素晴らしい彫刻が施されていました。しばし言葉を失って眺めました。壁面の仏画は、だいぶ薄くなってきていました。




今回の旅では、食の面でもいろいろとチャレンジしました。江華島で食べたうどんは、日本のものとは違いますが大変美味しいと思いました。ソウルで食べた韓国冷麺は、そこのが一番美味しいと勧められて食べたのですが、今まで食べていた韓国冷麺とは全然違うものでした。とっても美味しかった。カルビ・プルコギ・韓定食という定番のものも食べましたけれど、一般的な食事を味わって、また違った面の韓国をかいま見た思いがします。ここには書きませんでしたけれど、他にも今回はいっぱい回りました。盛りだくさんだけれど、そんなにハードではなく楽しめた旅でした。

(2002.04.06 掲載)




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